RubyKaigi 2009 2日目

RubyKaigi 2009の2日目は大変面白い一日でした。

午前中は、Sequel, Sinatra, Ramazeの3つの「軽量」ライブラリの話を聞きました。確かに、用途を既存のあるいはシンプルに考えたRubyコードに「HTTPを喋らせる」という発想は面白いですね。特に配布も簡単なVegasはとても面白く思いました。早速"Gembox":http://code.quirkey.com/gembox/ もインストールしてみました。あと、Sequelについては、まさにSQL使いのためのORMですね。1日目に高井さんの「エンタープライズRails」の話を聞いていたので、説得力倍増です。

午後からは、コミュニティアピールに続いてまつもとさんのキーノートです。いつもながらのトークは楽しかったです。そして、LT。昨日のLTもなかなかでしたが、今日のLTも力作ぞろいで、LTこそRubyコミュニティのパワーですね。

最後の駒は、1階の特別会議室でのテクニカルな?セッションシリーズに出席しました。

「Rubyのゴッドファーザー(名付け親)」である石塚さんが、楽天の増田さんと一緒にやっているFairyと分散オブジェクトのDeepConnectの話をした後、「分散オブジェクトと言えばこの人」の咳さんの登場です。さすが咳さん、ほとんど冗談でプレゼンをしているようでいて、技術的には核心を突いた見識がすばらしいところですね。

その後、Rubyのテストメンテナの遠藤さんが、プロジェクトのカバレージの変動をモニタリングするツールの説明をしてくれました。そして、カバレージを落とすMさんの話も。これも大変面白かったのですが、時間が余ったからと行って披露してくれたハッキングの数々にはみんなあっけにとられていましたね。

そして、これが一番RubyKaigiらしいと思ったのが、NariさんのGCの話と、その後の質疑応答でした。質問にたった、RHGの青木さんやYARVの笹田さんが、「GCは良くわからないのですが」と前置きをつけて質問したのにはみんな爆笑。

そうそう。昼休みには、話題の「パターン、Wiki —時を超えた創造の原則」の著者の江渡さんのサイン会があり、しっかりサインをもらってきましたが、これから読むので感想はまた後日。

Published on 2009/07/18 at 15:40 by いたさん, tags , , , , , , , ,

RubyKaigi 2009に出席します

明日7月17日から開かれるRubyKaigi 2009に出席します。

ところで、会議用に個人の名刺を印刷しようと思ったら、プリンタが故障していました。

グスン。

Published on 2009/07/16 at 15:44 by いたさん, tags

いやな予兆

Sun MicrosystemsでDirector of Web Technologiesという肩書きを得ているXMLの生みの親の一人、Tim Bray氏のブログポストが、削除されました。

Us and Them

UsとはいうまでもなくSun Microsystems、ThemとはOracleの事です。

I have been notified by Sun’s legal staff that this posting may not be appropriate at this time, and asked to take it down.

このブログ記事が、この時期には適切ではないとSunの法務部から削除するように通告されたという事です。

原文はACMのサイトに残っていました。

http://queue.acm.org/blogposting.cfm?id=12610

この記事はOracleとSunの持っている製品やカルチャ、強み弱みを比較したもので、削除要求をされるようなものではない気がするのですが、Tim Bray氏がトラックバックでのリスト完成を呼びかけていたのがまずいと思われたのかもしれません。

それにしても、Tim Bray氏のような著名人が、自由にものが言えなくなっているというのは「いやな予兆」ですね。

Sun MicrosystemsでJRubyのチーフ開発者であるCharles Nutter氏は、次のような「連載」を始めました。

The Future: Part One

初回の記事は、プログラム言語の未来という内容ですが、慎重に言葉を選びながら次のように述べています。

It’s apparent that the Java platform is at a crossroads. One path leads to irrelevance, be it through general apathy that important technologies are getting sidelined, or through active emigration due to bureaucratic processes and waterfall platform evolution. The other path leads to a bright, open future, where polyglots romp and play with fresh new languages and developers have freedom to use whatever tools they feel are necessary for a given job. Given the large investment many of us have in this platform, we need to start talking now about which direction we want to go.

拙訳ですが、

Javaプラットフォームは大きな分岐点にさしかかっている。一方の道は、重要な技術が「退場」させられる事に関する、全体的な無気力・無感動、あるいは官僚的なプロセスや、ウォーターフォール型のプラットフォーム進化に起因する活発な「移住」が招く「不評」に通ずる道である。もう一方の道は、明るく開かれた未来に通じる道だ。そこは、多言語使い達が、生き生きとはしゃぎながら、新しく生まれる数々の言語とともに遊びまわり、開発者は与えられた仕事に必要だと感じたどんなツールでも使う事のできる世界である。私たちはこれまでこのJavaというプラットフォーム多くの投資を行ってきたのだから、今こそ私たちが進みたい未来はどちらなのかの話し合いを始めなければならない。

使命感にあふれたすばらしい檄です。まったく同意します。でも、JRubyの中の人がこういう事を言わなければならない状況を推察すると悲しくなりますね。

Published on 2009/04/25 at 03:01 by いたさん, tags , ,

Powered by Publify | Photo Startup stock photos